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ワインと日本酒の有資格者がオススメする名所と美食の旅。イエメシ(おうちごはん)とワインのペアリングも。

イエメシ・マリアージュ#001 鶏キンカンとイタリアワイン

1 はじめに

さて、本日は自宅で実践したイエメシとワインのペアリングをご紹介します。

最近では、「神の雫」や「ソムリエール」といったワイン漫画などによって、気軽にワインを飲まれる方が増えてきました。また、「マリアージュ」という言葉も、本来は結婚を意味するフランス語ですが、料理とワインの良いペアリングを表すことばとして、日本にも浸透してきました。

一方で、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大により、外食したいのに、仕方なく自宅で食事をするということも、これまた増えてきているように思います。

ワインや日本酒の卸業者からは、商品が卸せず、悲鳴のような声も聴かれます。

そこで、皆さんが、ご自宅で、少しでも外食の雰囲気を味わうことができないか、また、個人でもワインや日本酒を消費することにより、それらの流通を少しでも助けることができないか、と思い、拙いながらも、連載形式で、とあるワインエキスパート兼SAKE DIPLOMAのイエメシとワインなどのお酒とのマリアージュをご紹介いたします。

本日は、鶏のキンカンの甘辛煮とイタリアワインです。

鶏のキンカンの甘辛煮とイタリア・プーリア州の赤ワイン

鶏のキンカンの甘辛煮とイタリア・プーリア州の赤ワイン

 

2 鶏のキンカンの甘辛煮の作り方

鶏のキンカンとは、鶏の卵が形になる前の黄身の部分といわれています。

さて、このお料理のレシピ、というより、いつも冷蔵庫にある材料で作っているので、あくまでご参考程度の作り方になりますが、紹介します。

(1) キンカンは5~6分程度下茹でする。

(2) 一緒に煮込むナス、ピーマン、ニラを切っておく。

  (この時は、冷凍のがんもどきも入れました。

   お好みで別の野菜を入れてもOK。)

(3) ショウガ細切りにする。

(4) キンカンをざるにあけて手で触れるくらいまで水で冷やす

(5) ダシを200ccくらいとる。

(6) 冷めたキンカンは親指のお腹をつかって、薄皮をはがす

(7) ダシに蒲焼のタレを100cc程度と細切りにしたショウガを投入。

  味を見ながら加減する。少し煮立たせる。

(この時は、蒲焼のタレが余っていたためこのレシピになっていますが、普段は、醤油、みりん、料理酒を各同量+砂糖(醤油の3分の1程度)のものを使います。この場合も、お好みで濃さを調節します。

醤油は、丸中醤油さんのものがおすすめです。スーパーで売っているものよりも高いですが、一度に使う量は少ないので、家計への影響はそんなに大きくありません。これだけでイエメシのクオリティが格段に上がります。)

(8) ニラ以外の食材を投入。最後にニラを投入。10分程度弱火で煮込む。

(9) できあがり。

 

3 どのワインを合わせる?

ワインは、コレッツィオーネ・チンクアンタ2012。

イタリア・プーリア州(長靴のかかとの州です。)のワインで、ブドウ品種は、プリミティーヴォ50%、ネグロアマーロ 50%。

プリミティーヴォは、ブラックベリーなどの黒系の果実味が豊かで華やかなニュアンスが出ます。

ネグロアマーロは、「ネグロ」(黒)、「アマーロ」(苦い)と名付けられているように、濃厚でスパイス感が出ます。

アルコール度数は14.5%とやや高め。

このワインは、これら2種類のブドウのポテンシャルがバランスよく引き出されています。お値段も手頃ですし、おすすめです。

一口飲んでみると、最初は、豊かな果実味と、アルコールの高さからくる甘味が感じられます。鶏キンカンの甘辛煮の甘さとうまく手を取り合ってくれます。

その後ワインのスパイス感とコクが徐々に感じられ、甘辛煮の醤油やみりんからくる香ばしさやうま味と、お互いの良さを引き立ててくれます。

お料理とワインのマリアージュは、同郷のものを合わせると間違いがあまりないのですが、今回の例のように、それぞれの持っている同質な要素を考えてみると、和風の料理とイタリアワインといった組み合わせも、意外性があっておもしろいと思います。

 

ソムリエ協会の試験を受験される方は、アカデミー・デュ・ヴァンのワインショップ「 カーヴ・ド・ラ・マドレーヌ」でワインを探すのもお勧めです。

tralco.hatenablog.com

 

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