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1 はじめに
先日の記事で、ボルドーのレストラン、La Tupinaをご紹介しました。
久しぶりに、そこの鴨の写真を見たのですが、急に鴨胸肉のローストが食べたくなりました。
はい、本日のイエメシは、鴨胸肉のローストにしましょう。
2 鴨胸肉って?
まず、基本知識。
鴨を日常食べるフランスでは、鴨胸肉はマグレ・ド・カナール(magret de canard)とよばれています。フランスの鴨肉の中でも、特別な方法で育てられた鴨の胸肉のことです。 脂肪の割合が多く、バランスの良い肉身です。
覚えておくと、フランスでこれが食べたいとき、カッコよく注文することができます。
もっとも、フランス産でなくても、鴨胸肉はあります。
今回使う鴨胸肉は、ハンガリー産です。日本国内でも、安く購入することができます。
3 鴨胸肉のローストの作り方
鴨胸肉のローストの作り方は簡単です。
しかも、今回は、光熱費を節約する方法で作っていきます。
(1) 冷凍の場合は、冷蔵庫で半日程度解凍する。
(ここで無理に常温や電子レンジを使うと、中の肉汁が出てきてしまいます。やはり、解凍はゆっくり行ってください。)
(2) 皮目に包丁で切れ込みを入れる。
(3) 全体に塩コショウをする。
(下の塩はお勧めです!)
(4) 蓋つきの厚手の鍋にオリーブオイルをひき、火をつけて鍋を温める。香りをつけたい方は、お好みでローズマリーを入れる。
(オーブンで焼くのが主流かもしれませんが、鴨を焼けるオーブンがなくても、このように鍋を使ってじっくりゆっくり火を入れる方法もあります。電気代もかからず、ガスを使う時間は数分で済みますので、とても経済的です。)
(5) 中火で皮目から焼く。まず10秒。ひっくり返して10秒。
(6) 火を止め、鍋底に金網を置いて、その上で肉を休ませる。蓋をして5分程度放置。
(この間、ほかの作業ができます。5分は目安ですので、あまりナーバスに考えなくてもよいです。)
(7) また同じように火を入れる。
(焼き目はそのうちついてきます。様子を見つつ、根気よく7回ほど繰り返しましょう。)
(8) 焼きあがったら、スライスする。
(薄い方が食べやすいですが、自宅ですから、厚切りにするのも美味しいと思います。)
(9) ソースは、鍋に残った鴨の肉汁とバルサミコ酢をベースに、酸味が強い場合はハチミツや砂糖で和らげて、少し加熱するだけでOK。
(あまり加熱しすぎないように!ほかに、オレンジを使うソースが有名ですね。また、いろいろなフルーツを使って、独自のソースを研究してみるのも面白いと思います。)
4 どんなワインを合わせる?
ワインは、ブルゴーニュのものを選びました。
オークセイ・デュレス(Auxey-Duresses)村の1級畑のレ・グラン・シャン(Les Grands Champs)2017年。
ブルゴーニュの赤ワインの中で、例えば、比較的よく聞くジュヴレ・シャンベルタン村(Gevrey-Chambertin)は力強く、対して、シャンボール・ミュジニー(Chambolle-Musigny)は、コート・ド・ニュイ地区でもっとも女性的と形容されるワインです。その理由の1つは土壌にあるのですが、オークセイ・デュレスはその中間のワインといってよいと思います。
赤みの肉に合うとされていますので、今回はこれをチョイス。
5 ついでに前菜も。合わせはシャンパーニュ
前菜もついでに作りました。
桃がとどいたので、サラダにしました。味付けは、シンプルに岩塩、白コショウ、フルーティーな風味のオリーブオイルだけ。
ワインは、白桃のニュアンスが感じられるフィリップ・シェレ・ブリュット・トラディシオン・ノン・ヴィンテージ(Champagne Philippe Cherel Brut Tradition NV)です。
ソムリエ協会の試験を受験される方は、アカデミー・デュ・ヴァンのワインショップ「 カーヴ・ド・ラ・マドレーヌ」でワインを探すのもお勧めです。
今日も大満足。ごちそうさまでした。
応援よろしくお願いいたします。m(_ _)m