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ワインと日本酒の有資格者がオススメする名所と美食の旅。イエメシ(おうちごはん)とワインのペアリングも。

地中海クルーズ#07 色鮮やかな陶器・マヨルカ焼き

1 散策中に見かける陶器

さて、シチリア島タオルミナ(Taormina)を歩いています。

円形劇場の遺跡(Teatro Antico di Taormina)までは、ほぼ道なりに行けば着くのですが、こういう脇道は気になりますね。

今回は時間が決まっているので、まっすぐ行きますが、また今度(いつになるやら)来たときは、じっくり探検したいものです。

タオルミナの脇道

寄り道したくなります。

歩いていると、たくさんの陶器を目にします。

トリナクリア

最初見たときはちょっとコワイ。

2 シチリアのシンボル、トリナクリア

まず、不思議な3本足を持つ顔は、トリナクリア(Trinacria)と呼ばれるシチリアのシンボルです。 シチリアの旗にもトリナクリアが描かれています。

「トリナクリア」とは、「3」を意味する「Tri」が頭についているとおり、ギリシャ語で「3本足」を意味しており、 シチリア島メッシーナ(Messina)、マルサラ(Marsala)、パキーノ(Pachino)の3つの岬の象徴です。

3本の足は、それぞれ折れ曲がって、全体として三角形の形になっていますが、これはシチリア島の形を表現しています。

中央にある顔は、その目を見たものは石になるといわれるギリシャ神話のメデューサです。 この写真のメデューサの頭には蛇が編み込まれているように見えます(蛇の赤い舌が見えます。)。

しかし、トリナクリアのメデューサの頭には、蛇ではなく麦の穂が編みこまれているバージョンがあります。例えば、シチリアの旗がそうです。ある説では、メデューサシチリア肥沃な大地を象徴する地母神であることをから、このような麦の穂が編み込まれた形になった、といわれています。

 

3 色鮮やかなお皿

マヨルカ焼きのお皿

鮮やかなお皿

マヨルカ焼きのお皿

これも鮮やかですね。

これらの鮮やかなお皿は、マヨルカ焼きと呼ばれています。スペインのマヨルカ島を経由してシチリアに入ってきたことが、その名の由来です。

その技術は、かつて、現在のスペインとなっているイベリア半島イスラム支配下にあった時代に、イスラム圏からマヨルカ島に伝わり、そして、同じくイスラム支配下にあったシチリア島に入ってきたとされています。

その後、イタリア中部や北部に広まったので、イタリア語にもなり、「Maiolica」とつづりますが、各地方で発音が少しずつ異なるようです。シチリア人の発音をカタカナで書くと「マヨルカ」になるため、日本でも「マヨルカ焼き」と呼ばれていることが多いようです。

マヨルカ焼きは素焼きの陶器に白い上薬をかけ乾燥させ、その上に顔料で絵柄を描きます。 そして高温の窯で焼く事で色を定着させます。鮮やかな色は、 白い上薬の効果によるもので、色が褪せることはほとんどないそうです。

上のトリナクリアも、マヨルカ焼きによるものです。タオルミナから南東に向かった先には、カルタジロネ(Caltagirone)という陶器の町があるそうです。ここもいつか行ってみたいですね。

 

4 次は円形劇場の遺跡へ

次は円形劇場の遺跡(Teatro Antico di Taormina)に入ります。

tralco.hatenablog.com

 

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