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1 本日のメニュー
さて、本日のイエメシ・マリアージュは、鶏もも肉のグリルとシャンパーニュを合わせてみたいと思います。
2 鶏もも肉のグリル作り方
(1) 材料
①鶏もも肉
②カマルグの塩
③黒コショウ
④オリーブオイル
(2) 下処理、下味
肉は常温に戻しておき、皮目は焼いたときに縮まないよう、フォークなどで穴をあけておきます。
厚めの部分には包丁を入れて、全体の厚さを大体均一にしておきます。
両面に塩、黒コショウで下味をつけ、全体にオリーブオイルをなじませます。
(3) 火入れ
魚焼きグリルを使います。
鶏もも肉は、皮目も美味しいですからね。魚焼きグリルを使えば、ご家庭でも簡単に皮目をパリッと焼くことができます。
片面グリル(上からだけ火が出るもの)の場合は、皮目を下にして小さめの火で10分程度焼き、焼けたらひっくり返して皮目を10分程度焼きます。
両面グリルの場合は、皮目を上にして10分程度焼きます。
いずれのグリルを使う場合も、モノによって火力が違うので、焦げないように様子をみつつ焼いて下さい。
これでできあがり。
3 ところで、カマルグの塩って?
先日は醤油をご紹介しましたが、今回は塩をご紹介します。
南フランスのカマルグ地方には約10万haもの湿原地帯が広がっています。
その湿地帯では古代ローマ時代から盛んに塩の生産が行われてきました。 現在でも、その塩田では、地中海の海水を引き、春から夏にかけて、日光と風の力で水分を蒸発させることにより、濃厚で風味豊かな塩が作られています。
これが、カマルグの塩です。
つまり、カマルグの塩は海水を蒸発させ手作業で採取するという伝統的な手法を守って作られた天然の塩です。
その中でも塩田の表面に最初に現れた結晶を手作業で収穫したものが「Fleur de Sel(塩の花)」といわれる、最高級の塩になります。
100%の天然の塩ですので、天然のミネラルが豊富に含まれており、うまみの強い塩です。ワインの邪魔もしません。
これも普通の塩よりも高いですが、1回に使う量は多くないので、一度買ってしまえば家計への影響はそんなに大きくありません。これだけでイエメシのクオリティがグンと上がるのは、むしろお得だと思います。
4 どんなワインを合わせる?
フィリップ・シャレル・ブラン・ド・ブラン・ノンヴィンテージ(Philippe Cherel blanc de blancs NV)を選びました。
これは、法律では最低15か月以上の熟成期間とされているところ、36か月の長い熟成がなされたもので、細やかな泡が立ちぼります。
レモンやグレープフルーツの柑橘系のアロマと、アーモンドやヘーゼルナッツなどの香ばしいアロマがあり、カラメルのニュアンスも感じられます。
よく、鶏肉と柑橘は一緒になってお皿に乗っていることがありますが、今回は鶏もも肉は塩コショウでシンプルに味付けをして、シャンパーニュで味を追加していくというスタンスです。
鶏もも肉を口に運んだ後、このシャンパーニュを一口含むと、塩コショウだけの味に、柑橘系の酸味が加わって風味に立体感がでます。
そして、鶏の皮目の香ばしさとシャンパーニュの香ばしさが一体となり、心地よい余韻が広がります。
ソムリエ協会の試験を受験される方は、アカデミー・デュ・ヴァンのワインショップ「 カーヴ・ド・ラ・マドレーヌ」でワインを探すのもお勧めです。
5 チーズ
チーズは、チーズ熟成士として、フランスのMOF(国家最優秀職人章・Meilleur Ouvrier de France)を獲得しているロドルフ・ムニエ氏が熟成した、「ブルー・ド・シェーブル」を選びました。
シェーブル(山羊乳)のブルーチーズは珍しいと思います。
臭さはあまりなく、ソフトな舌触りで、シェーブルの爽やかな酸味と甘みのあるミルクのコクに加えて、熟成による旨味が楽しめる逸品です。
今回選んだシャンパーニュともよく合ってくれました。
このチーズは、オーダーチーズさんの定期便で購入したものです。 オーダーチーズさんの、特に3名の熟成士のチーズはおすすめです。 これも、イエメシに取り入れると、食事がもっと愉しいものになると思います。
今日も、ごちそうさまでした。
応援よろしくお願いいたします。m(_ _)m