1 なぜ山崎へ?
2019年の初夏、大阪府三島郡にあるサントリー山崎蒸留所を訪問しました。
じつはこの年の秋に、スコットランドでウイスキーの蒸留所を訪問する計画を立てており、予習を兼ねて国内の蒸留所を見学しておこう、というのが訪問のきっかけです。
この記事を書いている2022年3月時点では、新型コロナウイルスの影響で、当面の間、工場見学および場内の全ての見学施設(ショップを含む。)が休止になっています。
ウィルスが抑え込まれて、はやく再開されることを祈るばかりです。
2 モルト・ウイスキーの作り方
モルト・ウイスキーと言ったときに、複数の意味があるのですが、山崎で説明されるモルト・ウイスキーは、水と大麦で作られるウイスキーであるようです(アメリカン・ウイスキーでは大麦は51%以上入っていればよい。)。
山崎のモルト・ウイスキーは、二条大麦を発芽・乾燥させて麦芽にし、麦芽をこまかく砕いて、日本名水百選である「離宮の水」を仕込み水として、麦芽と共に仕込槽に入れます。
麦芽中の酵素によって、デンプンが糖に分解されたあと、ろ過して麦汁(ばくじゅう)にします。
麦汁を発酵槽に移し、酵母を加えます。酵母は、麦汁の糖をアルコールと炭酸ガスに分解します(C6H12O6→2C2H5OH+2CO2)。これでできあがったものを「もろみ」といいます。
もろみは、「ポットスチル」という蒸留窯で2回蒸留されます。蒸留されたばかりの無色透明なウイスキーを「ニューポット」といいます。この段階でウイスキーの香味のベースができあがります。
ニューポットは、樽に詰めて長期間熟成されます。 熟成されたニューポットは、樽ごとに香味が異なります。
ここからは「ブレンダー」という職人の仕事になります。ブレンダーは、樽ごとに異なるウイスキーを多い時には1日に300種類テイスティングし、どのように調合するかを決定していきます。
3 見学ツアー
見学するには予約が必須です。早めにとっておきましょう。
JR山崎駅で下車し、徒歩で向かうと、踏切を超えたところに、ポットスチルが見えてきます。
ここを超えると、大きな「山崎」の文字が。
建物の周りは草木がきれいに整えられています。
見学の受付を済ませて、2階で待機。
設備の模型などが並んでいます。
時間になったので、見学ツアー開始!
いったん外に出て蒸留所に向かいます。
仕込槽。
発酵槽。
ポットスチル。
ニューポット。
樽の製造工程と樽貯蔵庫。
一度外に出ます。
景色は山の中。
偉い人の銅像。
待ちに待ったテイスティング。
品切れが続く山崎ですが、ここでは出してくれました。
レシピ通りに作ったハイボールは驚きの美味しさでした。
最後はギャラリーを見学。
原酒の棚は圧巻です。
4 ためになるウイスキーのウェブサイト「WHISKEEN」
さいごに、楽しく、わかりやすくウイスキーのことが学べるウェブサイトがあるので、ここでご紹介させていただきます。
「WHISKEEN」というサイトです。
サイト内で、「ウイスキー好きがオススメするウイスキーの銘柄や飲み方を紹介するメディアです」と謳っているだけあって、詳しい情報が整理されて発信されています。
日本ソムリエ教会が実施する各種呼称試験や、ウイスキー検定の受験を考えている方にもおすすめの内容になっています。
このブログでは、国内外のいろいろなところを旅した記録を書き溜めています。よろしかったら、他の記事もご覧になって、擬似旅行を楽しんでいただければ幸いです。