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4 シャトー・スミス・オー・ラフィット(Château Smith Haut Lafitte)
(1) 歴史
シャトーの歴史は1365年、ボスク家がこの地でブドウ栽培を始めたことから始まります。
その後18世紀に、スコットマン・ジョージ・スミス氏がシャトーを購入します。現在のワインの名前に入っている「スミス」はこの方の名前が由来です。
1990年、現オーナーであるフロランス(Florence)&ダニエル・カティアール(Daniel Cathiard)夫妻が経営を引き継ぎます。夫妻は、有機肥料、環境保全型のワイン造りなど、ユニークな技術を確立し(1995年にはシャトー内に樽製造所も造られました。)、スミス・オー・ラフィットは、名実ともにボルドートップクラスのワイナリーとして、愛好家の垂涎の的になっています。
(2) 醸造設備
特筆すべきは、スミス・オー・ラフィットは、自社で樽を製作している数少ないシャトーの1つ、ということです。その他に自社で樽を作っているシャトーを挙げるとすれば、ラフィット、マルゴー、オー・ブリオン、ペトリュスなど錚々たるシャトーであることからすると、スミス・オー・ラフィットのレベルの高さがお分かりいただけると思います。
オー・ブリオンの樽工場については、過去記事をご覧ください。
スミス・オー・ラフィットの工場では、年間に使用する量の3分の2に相当する、約450樽くらいが作られています。
残りの3分の1は外の樽工場から購入するそうです。外の樽も使う理由は、工場によって焼き付けの方法が少しずつ違うことを利用して、香りや味わいの複雑さを得るためなんだそうです。
(3) ワインの味わい
① 赤ワイン
ヴィンテージによって若干の違いはあるものの、ブラックベリーやプラムの黒系果実のアロマに、タバコのようなスモーキーなニュアンス。
果実味は凝縮感があり、酸味はおだやか。
ブレンド比率は、カベルネ・ソーヴィニヨンが60%程度で、次いでメルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドが使われています。 熟成期間は新樽比率60%のフレンチオーク樽で18か月間。
② 白ワイン
ヴィンテージによって若干の違いはあるものの、グレープフルーツやアプリコットなどの果実のアロマ。貝殻のようなミネラル感。トロピカルフルーツのような果実味があります。 ブレンド比率はソーヴィニヨン・ブランが90%程度で、そのほかセミヨン、 ソーヴィニヨン・グリが使われています。
(4) テイスティングルーム
最後は、おいしくいただきました。が、ホテル併設のレストランでも、お得にいただけます。スミス・オー・ラフィットをお食事と一緒に頂ける機会はめったにないので、もちろん、ディナーでも注文しました。
5 シャトーの周辺はどんな感じ?
ホテルに無料のレンタサイクルがあるので、自転車で周辺を回ってみました。
どこまでも続くブドウ畑を眺めながらのサイクリングは、とても気持ちが良いものでした。
少し走ると、林が見えてきて、その中に「Château le Thil」の看板が。
どうやら、ここも「Les Sources de Caudalie」が関係するホテル兼ワイナリーのようです。
6 さいごに
メドックマラソンに、シャトー訪問など、まさにワイン漬けの日々で、ワインラバーとしてはこれ以上ない最高の日々でした。
ワイナリー訪問は、その他の地域でもやっているので、また折を見てブログにまとめたいと思っています。