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1 本日のメニュー
本日のイエメシ・マリアージュは、もつ鍋に、高知の特別純米酒を合わせてみたいと思います。
これから気温が下がって、鍋が恋しい季節になってきます。
もつ鍋は、ちょっとハードルが高いように思われるかもしれませんが、材料さえ買ってくれば、特別な調味料などは要りません。ご家庭にある材料で作ることができます。
下処理も、基本は洗ってゆでるだけなので、カンタンです。
もつには、豊富なコラーゲンと、コラーゲンの吸収を促す栄養素が含まれています。
寒くなると乾燥してきます。この秋~冬は、お肌にもうれしいもつ鍋を、ぜひとも取り入れましょう!
2 では、作っていきましょう!
(1) 材料
① 具材
・もつ(牛の小腸)
・キャベツ
・ニラ
(ここからはお好み。ただし、水分が多く出る白菜やもやしなどは避けた方が無難。)
・豆腐
・ごぼう
・長ネギ
② 調味料
・しょうゆ(丸中醤油はおすすめです!)
・みりん(馬場 最上白みりんも、おすすめです!)
・料理酒
・和風だし
・鶏がらスープの素
・にんにく
・赤唐辛子
(2) もつの下処理
① 塩をもつにまぶして、揉みこむ。10分ほど放置(ここで余分な水分が出る。)。
② 塩を洗い流す。
③ 小麦粉をまぶして、揉みこむ(ここで、小麦粉に汚れを付着させて取り除く。)。
④ 小麦粉を洗い流して、水を切る。
⑤ 鍋にお湯を沸かし始める。
⑥ 食べるときの大きさよりも大きめに切る。
⑦ 鍋に赤唐辛子と料理酒を適当に入れ、もつを投入。
⑧ 2分茹でる。
⑨ 冷水でしめ(脂の流出を止めるため。)、水を切る。
(3) 調理
① 和風のだしをとっておく。
② 野菜は、好みの大きさに切る。
③ だしに鶏がらスープの素、お好みですりおろしにんにく、赤唐辛子を投入。
④ だしに、醤油、みりん、料理酒を、大さじ3:2:1の割合で加える(キャベツ等で薄くなるので、若干濃い目が良いです。この割合は、お好みで加減してください。)。隠し味に味噌を加えてもOK。
⑤ ニラ以外の野菜をスープに投入し、少し火を通す。
⑥ もつとニラを投入する(もつは、湯通し後、3分程度煮た状態がベストです。あまり煮込みすぎると、脂が流出し、硬くなってしまいます。)。
⑦ シメは、ちゃんぽん、といいたいですが、うどんでも十分です。雑炊も美味い。
3 どんな日本酒を合わせる?
もつ自体がこってり、リッチな風味を持っているので、アルコール添加されているスッキリ系の日本酒ではなく、純米酒を選びました。
今回選んだのは、土佐鶴の特別純米酒です。
精米歩合は60%。
原料米は、主に「あけぼの」と「松山三井」です。
あけぼのは、主に岡山県で栽培されるお米で、多収と良食味を兼ね備え、業務用米や酒造用米など幅広く使われています。粒が大きく、粘りが強すぎず、適度な硬さがあるのが特徴です。
松山三井は、元々は飯米として、1953(昭和28)年に育成されましたが、1970年代初めまでは普及はしませんでした。現在、愛媛県でのみ栽培され、酒造好適米ではないにもかかわらず、大粒で砕けにくく、精米歩合を高くすることができるので、酒造りにも使われています。
さて、お酒を口に含むと、つきたての餅や上新粉のような上質でふくよかな米のニュアンス、サワークリームやヨーグルトを思わせる酸味を感じます。
余韻に口の奥に上品なコクを感じます。
今回のもつのこってりとした食感と、しょうゆベースのスープの風味は、この特別純米酒と同質なものがあり、お互いの風味を高めあってくれます。
味噌ベースのもつ鍋の場合は、山廃仕込みの日本酒がおすすめです。
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さらに、SAKE DIPLOMA試験に興味を持たれた方へ。
勉強方法などをまとめたこちらの記事をどうぞ。
今日も、ごちそうさまでした。
応援よろしくお願いいたします。m(_ _)m