1 右岸?左岸?
ソーテルヌ地区から少し離れ、今度は「右岸」のサン・テミリオン(Saint-Émilion)地区に来ました。
ここでいう「右岸」とは、川の上流から下流方向を見たときの、右側の岸のことを意味します。反対に、左側の岸を「左岸」と言います。
ボルドー地方は、ジロンド川が北西の方向の大西洋に流れています。このジロンド川は、その東に流れるドルドーニュ川と、南に流れるガロンヌ川が合流した大きな河川です。
ガロンヌ川は、ボルドー市街にも流れています。その様子は、「フランス ボルドー/ Bordeaux, France (2014-#01)」をご覧ください。
ボルドー地方の「右岸」とは、このうちドルドーニュ川からジロンド川が流れる東側の地域を指し、「左岸」とは、ガロンヌ川からジロンド川が流れる西側の地域を指します。
この、「右岸」「左岸」は、ソムリエ試験やワインエキスパート試験では、要注意項目としてよく取り上げられます。
ボルドー地方では、地図の通りなので分かりやすいですが、例えば、フランス南部のローヌ地方は、ローヌ川が北から南に流れているので、上の定義によれば、地図の右側が左岸、左側が右岸ということになり、地図とは左右が逆になります。
2 サン・テミリオン
(1) 世界遺産
サン・テミリオン(Saint-Émilion)は、ボルドー近郊のワイン産地のひとつで、歴史地区は周辺の7つのコミューンの景観とともに、「サン・テミリオン地域」の名でユネスコの世界遺産に登録されています。 コミューン(Commune)とは、フランスにおける地方自治体の最小単位のことです。
さて、その美しい景観を見に行きましょう。
城壁のようなものが見えてきました。
バスを降りて、歴史地区の外を少し歩きます。
ちょうど昼頃、太陽と教会の尖塔のコラボ。
(2) ランチ
テラス席のあるビストロでランチを頂きました。美味。
テラス席からの眺めは最高です。
(3) 歴史地区を散策
ランチの後、少し歴史地区を散策しました。 あるワインショップで売られている最高級ワインの価格表です。 日本で買うよりは安いのですが・・・。
3 シャトー・ボーセジュール・ベコ
さて、シャトーに向かいましょう。 次は、シャトー・ボーセジュール・ベコ(Château Beau-Séjour Bécot)です。
(1) ブドウ品種
ボーセジュール・ベコの畑で植えられているブドウ品種は、70%がメルロー、25%がカベルネ・フラン、6%がカベルネ・ソーヴィニヨンです。メルローが多めで、カベルネ・ソーヴィニヨンが少ないのは、右岸の特徴です。
ブドウの樹齢は約35年以上。収穫は全て手摘みで行われます。
(2) 醸造
醸造は、まずステンレスタンクで行われ、その後、原則としてすべて新樽でマロラクティック発酵を行っていきます。マロラクティック発酵とは、乳酸菌がリンゴ酸を、乳酸と二酸化炭素に分解する発酵のことをいいます。
樽熟成の期間は、合計で約16~18か月間だそうです。
瓶詰め直前に軽く濾過をしてから瓶詰めされます。
(3) テイスティング
お待ちかねテイスティングタイム。
2007年は、巷で言われているように、ブドウの出来がイマイチな年。それでも、努力したということが分かります。
4 次は、ペトリュス?
このあとは、外からだけですが、ちょっと有名なシャトーを見に行きます。
応援よろしくお願いいたします。m(_ _)m